sweet×sweetな恋モヨウ

02*プロポーズ




……ヒドイ。しかも痛い。



お腹を押さえながら、俺は足を引きずりつつも玄関へと向かう。


アヤってばさぁ…
なにも蹴ることないじゃん?

一体どうやったら、あそこで“足”が出てくるわけ?

ちょっと触ったくらいで、あんなに怒ることないじゃんか。

仮にも、俺はアヤの“彼氏”なんだよね?


はあぁ〜っ。



……いつになったら、


“キスより先”に進めるんだろう?





そんなことを考えながら、リビングの前の廊下を通過しようとしたとき。


「あら、ハジメちゃん。もう帰るの?」


明かりの漏れるドアの向こうから現れたのは……


「あれーっ?おばさんいつの間に??」


おばさん…つまり、アヤの“お母さん”だった。

いつ帰ってきたんだ?

玄関が開く音なんてしなかったのに……


「入ったらハジメちゃんの靴もあったから、邪魔しちゃいけないと思って静かにしてたのよ。」

「はぁ…」

「私のことは気にしなくていいから、もっとゆっくりして行ったら?何なら泊まってく?」


明らかに楽しそう。

なんだかなぁ……。

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