砂糖水に溶かした日常


彼は何も聞かなかった。
名前も、学校も、どうしてこんなことをやったのかも。

私の手には桜色のマネキュアだけが残った。


全てを捨てて戦える覚悟があればいいと思った。
夢の中の私は、あの赤いマネキュアをして、学校へ向かうのだ。
だけど現実、私は先生にばれない程度の桜色のマネキュアをして、ラメが入っていることで優越感に浸るのだろう。

見透かされているようだった。


責めてくれさえすれば反抗することができるのに。それは責められるよりも痛い。


私はその場にしゃがみ込んで泣いた。


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