同居の秘密。【完】

* 翔



熱が治り、数日たった今、俺はその日のことを思い出していた。


…“一緒に寝よう”なんて千春に言ったのか…俺。

それに無理矢理千春をベットに寝かせ、起きるまで離さなかったって…、どんだけ欲求不満なんだよ…。


深いため息が出る。


1人部屋の仕事場だから誰かに聞かれることはない。


「深いため息ですね」


「…居たのか」


いつの間にか部屋の隅に居る波留。

またため息が出る。


「どうした?」

「いえ、また用が出来ましたので行って参ります。翔様の仕事が終わる前には戻って参りますので」


 
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