君は俺のターゲット(2)
≡Last≡

俺の宝石

「ここのケーキおいしい♪」


「だろ?一度連れてきたかったんだ!」



今は夜。



ホテルの部屋で犯人逮捕のお祝いをしていた。




美味しそうにケーキを頬張る舞里を見て、あの時他の刑事達が駆け付けてくれて本当に良ったと思った。



あの時は、動くもの全てがスローモーションで見えた。



もうあんな思いはしたくない。



俺が、あの時のことを思い出し目を瞑っていると



「ありがとう、冬路。いつもあたしを支えてくれて。」



舞里が突然そう言った。



「ん?どうしたんだ、急に。」


「ううん。・・・あの時ね、殺されそうになった時に、真っ先に冬路の顔が浮かんだの。」


「うん。」


「あたしは刑事だから、事件で命を落とすこともあるかもしれない。」


「・・・あぁ。」



あってほしくないけれど、刑事と言う職務上、死はどこまででも付きまとう。



「だけど、いつもあたしばっかり“頑張れ”とか“次絶対捕まえろ”とか応援されて、あたしから冬路に与えるものなんて、全然なかった。

だから、死にたくないって・・・強く思ったよ。」


「舞里・・・・・。」





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