【完】─片思い─

蝉の泣き声が鳴り響く。


すれ違いの夏が、



終わりを告げるように──。




なんで、あたしは、あの時…気づかなかったんだろう。


なんで、あたしは、あの時…


紗季の言葉の意味を、知ろうとしなかったんだろう。



思えばこの夏、


あたしが気づいていれば、


この”恋”が、叶っていたのかもしれない…。



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