心友。~友達の彼氏をスキになった。~

「えっ」


「あれ何?」


「あ、や、違うねんで。藍が前付き合ってた男に追いかけられててな、俺はそれに偶然出くわして、そんでやり過ごすためにああしていただけ」


悟が早口でまくしたてると、マリアは静かな声で言った。




「悟…嘘はええわ。気分悪い」


「は? 嘘とちゃうやん。ほんまにあの男最低なんやぞ」


「それは知ってる」


マリアは小さな溜め息をついた。


「ウチが言うてるのは『偶然出くわして』っていうとこ」






< 232 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop