心友。~友達の彼氏をスキになった。~
新緑の頃

高校の校門を抜け、下足室から食堂を経て三棟並んだ校舎へと続く道は、一本の並木道になっていた。



さわさわさわ…


風が渡り、真新しい木々の緑が一斉に揺れる。




五月――


藍とユキとマリアの三人は無事進級し高校三年生になっていた。


キラキラと…

踊る木漏れ陽はまだ柔らかく、その緑の間に配されたベンチに座り、昼食後のひとときを過ごすのが、最近の藍達の日課となっている。


めでたくも三人共また同じクラスで、他にも気の合う顔ぶれが増えて、藍は新たなクラスメイト達に囲まれながらベンチに腰を下ろしていた。





< 253 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop