君を想うとⅢ~True love~
何度も鳴こう、ホトトギス
役者はそろった。
後は運命のサイコロをふるだけだ。
一度ならず二度までも手を離した最愛のオンナ、高宮伊織。
伊織と部長のラブラブっぷりを見せつけられる度に心が折れて。
伊織の笑顔を見守ろうと思うのに
伊織が俺に微笑むだけで無駄な期待をしてしまう俺。
もう…今度こそ諦めよう。
アイツが近くにいると、俺は前にも後ろにも進めない。
そう思って…
前々から打診されていた海外事業部への移動にYesと答えた。
伊織を幸せにしてやりたい。
アイツの笑顔を守ってやりたい。
だけど…
その役目は俺じゃない。
俺は…完全に諦めていたんだ。