星にキス。

*梅雨。【the rainy season】





――― ザー ザー。


激しく、強い雨が、地面を叩き付ける。


「止まないねー、雨」


ハルがお弁当を片手に、あたしの席に近づいてきた。

机を向かい合わせ、お弁当を広げる。


「梅雨、だからね」


ハルの問い掛けに、窓から外を見ながら返す。


「早く止めばいいのに」


「でもさー、そうしたら今度は夏だよ? 暑いだけじゃん」


「いいじゃん。 うちの高校って水泳ないし」


ハルの言うとおりだ。 あたしたちの高校には、水泳の授業そのものが無い。


だから、夏の体育はそれ程憂鬱になることは無い。


「ねぇ、ハル?」


「…… どうしたの?」


あたしには、ずっと疑問に思うことがあった。

でも、どうしても一人じゃ解決出来そうに無い。




< 36 / 155 >

この作品をシェア

pagetop