涙飴

本

「姫月も！偶然だね！」


付け足す様な台詞に、少し苛つきを覚える。

何で今日出会ってしまったんだろう。
今日程出会いたくない日はない。

嫌な気持を抑えて、あたしはにっこりと笑って見せた。

横目で大地をチラリと見ると、無表情で俯いていた。

少しホッとした。

考えすぎだとは思うけど、満面の笑みとかだったらさすがにきついものがある。


でも華耶に会えて嬉しいという感じでもないし、やっぱりあたしの勘違いか。


「もしかしてお邪魔だった？」


華耶が申し訳なさそうに聞いて来る。


「へ？なんで？」


大地がそれに目を少し大きくして聞き返した。