ホットミルク

FROM 優美


あたしの親は授業参観にも来ないし、
アルバムだってあたしの写真なんかまともにないと思う。



あたしは、愛なんか信じない。


リビングのソファーはあたしの何倍もある
大きさで、
座ると孤独を感じる。
そして、
目の前にある50インチのテレビも。
大きい庭も、
広すぎるこの家が


‘お前は孤独だ’

と言ってるみたいで心細くなる。

あたしは何?
なんのために生きてるの?

どうして・・・


どうして・・・


あたしは生まれてきてしまったの?


ピーンポーン




はっと我にかえる。


カメラ付きのインターホンが花音を映す。


「ヤッホー♪花音だよ!あけてぇー」

「うん、今あけるね」


ボタンを押して門を開ける。
門から玄関までまた少し距離があって
疲れる。


ピンポーン



2度目のインターホンが鳴る。
ちょっと疲れてる花音が映し出される。



「優美さぁー、家広すぎ!!」

「ゴメンネ・・・。今開ける。」



と言って玄関に向かった。
< 15 / 42 >

この作品をシェア

pagetop