剣舞
第七章 結末
ヴォルハムンは、平和な所だ。

人間どうしの愛憎に関するイザコザは、ここにもあるが、策略のため、誰かを殺し合うような、愚かな事はない。

豊かな村でもない。

商業、畑、森、海
肥沃な大地・・・
何一つない。


ここにあるものは
砂と太陽と・・・
地中深くの水源

離れたところに
オアシスがあるだけ。

でも、彼女は、この地を愛している。

水宮から、休廷舞踏班から遅れて帰って来たオリビアを、ジルとカレンは手放しで喜び迎えてくれた。

あの長剣は、再びジルの手により保管されている。

火宮との繋がりを明かすものは、皆の記憶以外に、オリビアの手元には残っていない。


あの日


張り詰めていた気が、糸を切ったように落ちて、体力の限界もあり、オリビアは気を失ってしまった。

目覚めると、白い糸であんだ装飾の美しい寝台に横たえられていた。


朝の柔らかな光線が、室内を満たし、寝台にもたれかかる様に眠るアンジェラにも降り注ぐ。

象牙のような、きめ細やかな美しい肌が際立つ。


 
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