手紙

___29






「睦月、結局どうするの?」





「へー?」





新しく買い換えたリビングのソファ。





前より1段と大きくなり、ふかふか度がかなり増している。





睦月はそのソファの端に体重をかけ、足を伸ばして座るのが好きだった。





さっきまで皿洗いをしていたお母さんが、エプロンで手を拭きながら睦月の元にやってきた。





「あんたねぇ、「へー?」じゃないわよ。大学よ大学。もうそろそろ決めないと!っていうか、もうすでに手遅れなんじゃないの?推薦とかだったら間に合わないでしょ」





「あぁ・・・大学ね・・・」





睦月のやる気のなさに、お母さんはため息交じりに話す。





「もう。あんたの将来でしょ?ちゃんと考えなさいよ。それで、どこにするの?美咲みたいに東京に行くの?それだったらそれでもいいけどね、お金の問題とかあるからちゃんとパンフレットとか見せなさいよ」





「大丈夫。東京には行かないから」









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