元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
-*-1st Tuesday-*-

彼女の視線



あたしは少し早歩きしていた。


間に合わないわけではないが、早く学校に行きたかった。


門に着き、階段を駆け上がる。


やはり疎らにしか生徒はいない。


そんな僅かな生徒達も、あたしの姿を見ては挨拶してくれる。


なんだか照れ臭いが、やはり嬉しかった。


あたしは第二応接室に着き、荷物を置いた。


荷物はここに置くのが決まりだ。


だが、こんな朝早くに着ても正直する事がない。


まだ阿紗子は来ていないし、戸田に会いに行くのも憚れる。


どうしようか。


そうするとドアが開いた。


「おはよう。」


あたしはそちらを向く。


「おはようございます。」


北条昴だった。

< 26 / 410 >

この作品をシェア

pagetop