初恋~First Love~

好きな人

「鏡花はさぁ、好きな人とかいないの?」

夏の太陽がまぶしい学校のベランダで、
友達の"智明"があたしに聞いた。


「なに?いきなり」

「いや、だたたんにいるのかなぁって思っただけだけど」


小学5年生になって、女の子同士の恋愛話が増えた。
今まではそんな話ほとんどしなかったのに。
最近はみんな好きな人がいる。


「いないよ」
あたしはそう答えた。
実際好きな人なんていないし、愛やら恋やら、はっきりいってあまり興味がない。


「嘘だぁ」

あたしの答えに、たいがいの友達はそう答えた。
智明だってそう。

「ホントだよ。
そういう智明はどうなの!?」

「あたしの好きな人言ったら、鏡花の好きな人も教えてくれる?」

「だかぁら、あたしホントにいないんだって」

「えぇ、そんな馬鹿な!」

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