裏生徒会部

ありえないことはありえない



ドアの方を見ると、タオルで濡れた髪を拭きながら、右手では携帯をいじっている男が入ってきた。

男…!?


「あ、あ…あ……」


男は私の声に気づいて携帯から私の方へと顔を向けると睨んできた。

なんで睨まれなきゃいけないの!?


「やっと起きたのか」

「やっと…?」


部屋にあった時計を見ると、短い針は10。長い針は24を指している。

つまり、22時24分。


「なななっ、なんで!?」

「お前が寝てたからだろ」

「っていうか、誰ですか!?」


髪は黒ではなく、少し赤がかった色で眼鏡を掛けた男。

男は「は?」と、呆れ顔で見てくるけど、見覚えないし!


「寝過ぎで頭がおかしくなったか?」

「はぁ!?見覚えないから聞いてんの!!」

「見覚えないって…柊也なんだけど」

「しゅ…柊也!?」


いつも眼鏡なんて掛けてないし。

しかも髪濡れてるし。

分からないに決まってる。

…って、ここは柊也の部屋ってこと!?

何がどうなって、私が柊也の部屋にいるの!?

私の頭はもう壊れる寸前。

全然、意味が分からないし、状況についていけない。



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