一番星のキミに恋するほどに切なくて。《旧版》
。*sidestory*。

夢月の夢




「夢月…手」

「…へへっ…」


外へ出ると、蓮はいつもあたしと手を繋ぐ。


恋愛なんてもうしないって思ってた…。あたしにだって恋愛経験はある。彼氏がいた事もあった。


でも…やっぱりどこか人と距離を置いてた。自分の寂しさを埋めるために誰かを求めてた…。




でも…蓮は違う。蓮はあたしが壁を感じさせないって言ったけど、あたしの方こそ壁を作ってた。


そんなあたしの壁を壊したのは蓮なんだよ。


蓮はあたしが初めて自分から愛した人。寂しさを埋めるとか、そういうのは関係なく愛した人…。


「…夢月、ぼーっとしてると転ぶぞ」

「はーいっ」


蓮…。あたしの大好きな人。ずっとあなたの隣にいれたらいいのに…。


「蓮と過ごした時間は本当にあっという間だったなぁ…」


あたしは、空を見上げながら、しみじみと呟いた。すると、ビンッ!!と、あたしのおでこに蓮がデコピンをした。


「痛いぃ〜っ!!蓮の馬鹿ぁ…」


馬鹿力ーっ!!


痛みが和らぐように何度もおでこをさする。


「……………………」


すると、蓮かま無言であたしを睨みつけているのに気づいた。


ひいっ!怖いっ!!


「な、何で怒ってるの?」


蓮はただ私を睨みつける。それからフイッと目を反らした。


えぇぇぇぇ!?
な、何で怒ってるの!?










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