【原作】妖精なアイツ

東京

大阪から東京まで二、三時間は余裕でかかる。



その間、
私はいとこの桜井規香…通称、のり姉とメールをしていた。



のり姉は私より八個上で、
今は東京で高校教師をしている。



私が編入する高校は、のり姉が勤めている高校だった。



「お前、のり姉めっちゃ好きやもんなあ」



兄貴がそう言うと私は笑った。


のり姉はめっちゃ美人で、私の憧れ。




「お兄様はどうなん?
めっちゃ男前で憧れるやろ?」


私は兄貴の声を無視し、
のり姉のメールを見ていた。


そのメールには写メも添付されていた。


「のり姉モテてんやなあ!」


写メには、のり姉と男子高校生が写っていた。


「お兄様もモテんねんぞ」


そう言って兄貴は携帯をいじり、
写メを私に見せた。



そこには女に囲まれた兄貴が写っていた。



「ワカメが美味しそうやと思ったんちゃうの」



そう言うと兄貴は髪をワックスで整えた。



どう頑張っても、ワカメにツヤが出来るだけだった。
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