うらばなし
2月14日ともなれば、やるしかない!

ーー

妻「あなたー、あなたー、あーなーたー!寂しかったわ!死ぬところだったわ!ウサギの気持ちが分かるところだったのよ!あーなーたー、もう会社に行かないで!行くというのなら、今度からワタクシも連れて行って!なんなら、あなたの会社で面接するわ!」

巧「ただいまも言わせねえのか、お前は。ーーって、なんつー格好でいんだ!?」

妻「あら、今日はバレンタインなのよ。毎日愛を育むワタクシたちが更に盛り上がるために用意されたイベントに、一糸纏わなくてどうしろと言うの!?」

巧「服を着ろ!玄関先だぞ、ばかっ!」

妻「他の男に妻の体を見られたくない嫉妬心が伝わってくるわ。いいのよ、あなた。ワタクシはあなただけのもの!その証明に、ここのところにあなたの名前を彫るつもりなのだけど、どうかしら?」

巧「彫るな!温泉入れなくなるぞっ!」

妻「常識人なあなたに、思わずよだれが」

巧「いーからっ。さっさと中にーーうわ、リビングがチョコくさ!」

妻「あなたとワタクシのバレンタインですもの。ここは、ワタクシフォンデュで決まりだわ!」

巧「大鍋いっぱいのチョコって。おまえなぁっ、こんな贅沢(無駄)していいのは、金持ちだけ!一般的サラリーマンの給料で、こんなことすんな!」

妻「あなたならそう言うと思っていたわ、相思相愛ですもの。だ、か、ら、ワタクシ、この日のためにこっそり仕事していたのよ」

巧「は?初耳だぞ」

妻「秘密ですもの。サプライズ、あなたが驚き喜び、ワタクシを熱く強く抱擁した後、そのままめくるめくR指定舞台に行くために、ワタクシ頑張ったのよ」

巧「俺のため差し置いて、私欲に走ってんじゃねえか……。にしても、何の仕事していたんだ」

妻「秘密。言った瞬間、あなたと引き離されるわ」

巧「何の仕事だよ!」

妻「ともかくも、晴れて用意出来たワタクシフォンデュ。流石に、ワタクシが入れるサイズのお鍋は用意出来なかったけどーーはい、あなた。あなたがむしゃぶりつき、舐め回したいところにチョコをかけて」

巧「生々しく言うな。いいって、やらない。今日疲れてんだ、寝る」

妻「チョコには滋養効果もあるのよ」

巧「寝た方が体力回復できんだろ」

妻「あなたを愛するワタクシの成分にも、きっと疲労回復効果があるわ!」

巧「押し売りすんな!ーーあ、おい、チョコドロドロして熱いだろうから、かけるなんてするな」

妻「きゃっ」

巧「言っているそばから、チョコを体につけんなよ」

妻「あなたー、熱いわー。思った以上に熱かったわー」

巧「ほらほら、泣くなって。待ってろ、今」(ぺろん)

妻「!!」

巧「チョコの下はーー良し。火傷してねえみたいだな」

妻「あなたがワタクシの体を舐めてくれたわー。それはもう、優しく、熱く!」

巧「指先だろ!指!大袈裟に騒ぐな!」

妻「もっと舐めてもらいたい。隅々まで、余すところなく堪能してほしい。あなたの舌が、ワタクシに、ワタクシのー!ああ、こうしてはいられないわ!」

巧「チョコ鍋を頭から被ろうとすんなああぁ!」







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