たった一つのプレゼント

3人で追いかける夢




「二人って
 付き合ってるんっすか?」



自己紹介よりも先に
彼はこんな質問をした。



「付き合ってないよ。
 幼なじみなの」




私はそう言った。




ただの
幼なじみ。




「そうなんですかぁ、
 めっちゃお似合いだから」




満面の笑みで言った
柳沢克哉の言葉に


私は心の奥で喜んだ。




隣では
鼻で笑う迅



「迅さん!!なんで
 鼻で笑うんすか!!」



無駄にテンションの高い彼は
その場をものすごく明るくしてくれた。








私達は
ボーカル無しでの練習を
ずっと続けてきた。


時々不安になる。


デビューまでの道のりとか
ボーカルの存在とか


未来が


不安に思う。



でも




迅やかっちゃんがいるから





私は一人じゃない。



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