たった一つのプレゼント
全ての初めてを
「好きだよ」
聞こえた迅の声は
いつになく優しくて
涙が止まらない。
「じ…ん……」
「ん?」
「あた…し…っ……
幸せ、だよ…」
「…………よかった」
「うぅっ…じん………」
「ん?」
「大好き、だよ」
涙でいっぱいの顔をあげて
私は迅を見つめた。
すると
待ってましたと言うように
迅は少し口角をあげて
私に顔を近づけてきた。
経験がなくとも
なんとなくわかる。
迅の片手が私の頭を押さえて
もう片方の手が私の腰を引き寄せた。
密着する身体に
頬が真っ赤になっていくのが
自分でもよくわかった。