エリートな彼に甘く奪われました
風 ~かぜ~
…今日は彼が沖縄出張へ旅立つ日。

二週間、長ければそれ以上帰って来ない。

日曜である今日のうちに出発し、明日の朝からの予定に間に合わせるという。

「じゃあ、愛、行ってくるね。鍵は預かってて。」

私の頬を優しく撫でると彼は唇に軽いキスを落として立ち上がった。

裸のままの私は彼のベッドの上でシーツにくるまったままぼんやりとしていた。

カチャリ。

玄関のドアが閉まる音がする。

天井を見上げたまま昨晩の彼を思い返す。

最近の彼の抱き方に少し変化を感じていた。

さんざん焦らして私を追い詰めて、その後で身体が壊れそうな程に求める。

その間中、観察するかの様に私の目を見て視線を離さない。

だけどそんな彼の様子に気付きながらも、私はなお一層彼に溺れてきていた。

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