エリートな彼に甘く奪われました
俺の心の中のかすかな変化に気付く人などいる筈もなく俺の周りは相変わらずの騒々しさだ。

「浅香さん、営業部の飲み会が今夜あるんですよぉ。私ね、他の部の子達に浅香さんも誘ってみるって言っちゃったんですよね~。ね、行きましょーよ」

…知らねぇよ。

「そうなんだ。でも俺は…そういうのは…」

断る理由を考えながら何とか言葉にしようと頭を働かせていると、同期の釜田が会話に割り込んできた。

「あ、営業部の打ち上げね~、なぁんだ、遼も行くのー。女の子全部持ってかれちゃうじゃん。ま、いっか~、庶務、全員参加らしいから。二十人近くいるから一人くらい俺の相手してくれるっしょ」

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