プラトニック・ラブ
Chapter 3

笑えない日常




笑えねぇよ。


ぜんぜんぜんぜん笑えない日常が始まりを告げる。




結婚成立したあたしと迅さん。


今週の日曜日に引越しということになった。



ボロいアパートにオサラバ出来るのは嬉しいけど、同時に悲しかったりする。


あのアパートにはあたしの16年間の記録と、今はどこにいるのかすら分からないお父さんの記録も残っている。



今すぐにでも逃げ出したい現実を、ひとまず結婚のことを誰も知らない学校では忘れておこうと思う。




昼休み。


あたしと美沙はカフェテラスにいた。



お弁当を忘れたあたしに、あたしが貧乏だということを知っていてか、サンドイッチとオレンジジュースを奢ってくれた。



「…本当に申し訳ない」



あたしは頭を深く下げる。



「気にしなくていいよー」



そう笑ってくれる美沙は、あたしから見れば天使―――もとい神様。


美沙が奢ってくれなかったら午後の授業は死んでいたこと間違いない。




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