これは、事実
ホントの気持ち
明日予定されていた卒業式は当然延期。
「………」
先輩の為に、一生懸命準備したのになぁ…。
私は布団の中で、寝ようとしながらそんなことを考えていた。
また昼のような大きい地震があるかも、と思うと怖くて眠れない。
「………」
最後くらいは、気持ちよく送ろうって思ったのに。
なのに…。
「先輩、大丈夫かな…」
こんなモヤモヤした気持ちで、気持ちよく送り出せるワケない……。
「……!」
…そうだよ…。
「……和子、私…」
思い出す、和子の言葉。
『このままだといつまでも未練残したままになっちゃうよ』
「……そうだね…」
和子。私今、モヤモヤしてるよ。
それは、地震のせいにしてたけど…。
まだちゃんと、思いを伝えてないからだったんだね………。
「和子、ゴメンね……ッ、私が間違ってた…」
再び和子の言葉を思い出す。
『遥はそれでいいの?』
「……よくないよ…」
大好きな早瀬川先輩に、届かなくてもいい。
次の恋に進むために。

「私、先輩に思い伝えるから……」

だから先輩。
どうか、生きててください…。


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