眠れぬ夜は君のせい

├ひっかかった特徴

専属なんて、俺もずいぶんとバカなことをしたもんだなと思った。

あげはを俺の専属メイドとして働かせるなんて、我ながらバカな提案したなと思った。

けど、彼女を他人に任せたくないと俺は思った。

あげはを他人に渡したくないと、俺は思っていた。

ずいぶんと子供じみた理由だ。


「お茶です」

そう言って、あげははテーブルのうえにティーカップを置いた。

働き始めてから1週間、あげははすぐに仕事を覚えた。

紅茶の入れ方も、シーツの引き方も、掃除のやり方も、俺が教えたことをあげはは何もかも覚えた。

俺はカップを持ちあげると、紅茶の香りを鼻で感じた。
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