眠れぬ夜は君のせい

├いなくなったその日

あの日以来、あげはと夜を過ごすようになった。

「お茶です」

「ん」

カップを持ち、菓子の用意をするあげはの後ろ姿を眺める。

もう何度、彼女に触れたのだろう。

彼女は、自分の背中に気づいていないだろう。

俺がつけた跡に。

自分のものだと言うように。

あげはの背中に何度も跡をつけた。

バカなことしてるよな。

わざわざ、自分の印をつけるなんて。

でも、何故かつけないといけないと思った。
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