“あの日”がやってくるなんて思いもせず、ただ…ただ幸せだった日々があった。


今思えば…この時が一番幸せだったのかもしれないね…。




『私、妊娠してる…』



どっちからかける。とか、何時にかける。とか約束したわけじゃないけれど

毎日夜にその日1日の事を話す電話をするのがいつの間にか付き合って2年経っていた私達の日課だった。



その日は私がいつものように電話して、いつものような1日のたわいもない話…なんかじゃ全くない話しをしたんだ。




妊娠が分かった時は、私は20歳。彼氏の真吾(しんご)は22歳。


まだ将来の事なんて明確になんて見えないまま、ただ二人でいる時間が楽しくて嬉しくて。



そんな日が続けばいいと思っていた矢先の私の妊娠。



もちろん、戸惑いや焦りや不安がなかったわけじゃない。


けど、真吾の子供が…新しい命が私のお腹に誕生した事が涙が出るくらい嬉しくて 愛しかった。




妊娠を伝えると真吾は電話の向こう側で黙ってる。



『なんか言ってよ』


沈黙が不安だった。

真吾だって、私の妊娠は予想外なんだから仕方なかったんだと思うけど、
沈黙の時ほど不安になる時はないんだから。

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