だからこそ、キミは。

甘えることしかできなくて




こんなにも簡単に、消えてしまうんだなって思った。




『………。』



あのことがあってから、どうしても授業に出る気になれなかった私。


一時間保健室で初めて“サボリ”というものを体験し、今はちょうど昼休み。



お弁当を食べに教室に戻ってきたのはいいんだけど…。




『…どうしよう。』



お弁当を、一緒に食べる人がいない。


梨花たちはもちろん、他の女の子たちも私を一瞬見たあと、罰が悪そうに視線を逸らされてしまった。



…多分、クラスの人たちはみんな、なんとなく事情を察したんだ。




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