AZZURRO
「おい!
解るか?
…しっかりしろ。」


男は
そっと雪乃の額にかかった髪を
退ける


雪乃の視界がはっきりしてくるのを確認すると
安堵の息をこぼした


「…ここは…。」


私は
確かがけから飛び降りたはず…


「…私…死んだの…?」


不意にこぼした言葉に


「バカ者!
死んでいるはずがあるか!」

男の怒号が飛んだ
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