AZZURRO

自殺

夕暮れに染まった
街を見下ろす
展望台公園



春を感じされる風が
展望台を吹き抜ける


雪乃は
目の前の事実を飲み込めずに立ちつくしていた


「…だから
不倫って訴えられるの知ってる?」



雪乃よりも遥かに年下の
金髪のブリーチヘアが印象的な
女が勝ち誇ったように雪乃と対峙している


その女の手には
生まれてまだ間もない
赤ん坊が抱かれていた


「…どういう事ですか?」
必死で振り絞る声は
恐怖で震えている


「あんたが
付き合ってた男は私の旦那なの。


この子がうちらの子供。


…意味わかるでしょ?」


頭を殴られて様な衝撃が
全身を駆け抜けた
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