AZZURRO
そして
2人は市街地の東はずれ
林の中に入った


雑林を抜けると
白大理石の大きな建物が現れた

「これが
カイルの一番の見どころ

大神殿です。」


前面のファザードは二階建ての豪華なもので
正面には四人の女の人が浮き彫りにされている

太陽の光を浴びて
キラキラと輝くそれは
何とも言えない神々しさがあり


思わず跪いて
手を合わせたくなる


「すごい…。」

雪乃は遺跡ではない
本物の古代の神殿に息をのんだ


「正面には風・大地・太陽・水の女神が彫られています。

中に入ることはできませんが
この辺でお茶にしましょう。」

そういってケシャは
持ってきた絨毯を敷き
お弁当を広げた

「今水を汲んできます。」

大通りの水くみ場まで戻るケシャを見送り
雪乃はただ
じっ…と大神殿を見つめていた。
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