モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
姉、変わる




本当は、ずっとずっと気になっていた。

だけど、あと一歩が踏み出せなくて、

まわりの目が気になって、

怖くて、


「海、帰ろう。」

「う、うん。」


覚悟はしていた。

遥は人気者から一気に嫌われ者になった。

海と仲良くしているから、ただそれだけの理由で。


健二までもが遥から離れていった。


これにはショックを受けたが、

もう、いい。

自分は海をとった。

それだけだ。



あの休み時間から、まわりの態度が急変してこれには驚いた。


「遥君って、カッコイイけど趣味悪いよね。」

「ちょっと幻滅~。」


ひそひそと聞こえる声。

聞こえないふりをして海と並んで帰宅する。



「はー、」

「ご、ごめんね遥君。」

「謝るなよ、ウザイ」

「・・・ご、ごめ」

「だから、謝るなって!」

「あ、ご、じゃなくて・・うん。」


「俺、前から気になってたんだけど・・・。」

「何?」

「なんでイジメられてたわけ?」


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