モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
「・・・とりあえず、海。」
「な、何?遥。」
「お前、なんで冬樹と帰ってきてんの?」
沈黙を破ったのは遥からだった。
「アイロン、一緒に選んでくれて。」
「で?何?その髪形も全部冬樹にしてもらったわけ?」
「これは店員さんが・・・。」
「へえ。」
遥は鋭い視線を海にむけた。
海は何がなんだかわからない。
「遥?」
「冬樹といい感じでよかったな。」
「そ、そんなことないよ!///」
「冬樹のおかげで変われたもんなあ?お前。」
「え!?これは遥がっ・・・。」
「俺は今のお前より、地味な海がよかった。」
遥はそっけなく海にそう告げると、
先に家に入っていってしまった。
そんな態度の彼に驚き、彼女は目を見開く。
自分がいつ、どこで、何をして彼を怒らせたのかわからない。
(・・・どうしよう。)
遥は地味な自分の方が好きだといった。
けれど冬樹は今の自分を可愛いと褒めてくれた。
(どうすればいいんだろう・・・。)