シュークリーム
「本当に平気よ。村上君の言う通り、ちょっと疲れちゃったのかも……。お言葉に甘えて、今日は早く帰る事にするわ」


「あぁ、それがいいよ」


いつもの口調で話すと、村上君が安堵の笑みを浮かべた。


アルコールが入るとお調子者になる彼も、普段は少しだけ心配性。


「あの時みたいに体調が悪いのを隠されると、あとで俺の仕事が増えるからな」


まるでその優しさを隠すように余計なひと言を付け足した村上君に、思わず小さく笑ってしまう。


他愛のない会話をしているうちに駅に着き、和やかな雰囲気を惜しみながら彼と別れた。


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