Escape from the DEAD
ACT10
屋敷内、畳敷きの広い部屋。

障子を開けて、浴衣姿の芹と紅が入ってきた。

既に座って待っていた要と、着流し姿の男がそれを出迎える。

「死んだ女房の浴衣だが、なかなか二人とも似合うじゃねぇか。返り血も綺麗に流して、別嬪になったぜ」

「助けて頂いた上にお風呂まで貸して頂いて、どうも…」

優等生の芹が男に礼を言った後、要の隣に三人並んで座る。

「ところで…あんたは一体?ここはもしかして…」

いささか礼儀に欠ける口調で紅が言った。

「おぅ」

それを別段咎めるでもなく、老齢の男は笑った。

「俺ぁ小せぇながら一家を束ねる組長を張らせてもらってる。ここぁ俺の屋敷だ」

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