君が愛した教室

先生と私


私が今恋してる相手。

それは先生です。

でも先生は私と何の関係もありません。

先生は週に1回、隣のクラスに授業に来るだけ。

私はその姿を見てるだけだった。

それだけで、幸せだった

なのに…………



一度言葉を交わしただけで、想いは一気に増えてしまった。
言葉を交わしたっても、他愛もない挨拶だけどね。
それだけでも、私にとっては大きな進歩だったんだ。

「さよなら。」

先生が返してくれた言葉が頭の中でずっとずっとループして止まらない。
名前も知らない人なのに。


相手は先生だよ?

見た目からも、結構年上そうだよ?

先生からしたら私なんて、ただの大勢いる生徒の中の一人に過ぎないんだよ?



全部わかってる。
わかってるのに……好きだよ。
先生が、好き。
先生の事、知りたい。
名前は?教科担当は?歳は?誕生日は?…結婚は?

知りたいけど…反面怖くもあった。
このまま夢で終わらせておいたほうが良いことだって、きっとある。
それを知って、傷付くのを恐れてた。



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