HELLO
「人間、努力したら報われるって言うのは本当だったんだな」

ハハッと声を出して笑う祐二は、さっぱりとしていた。

今まで苦しんでたことを全て吐き出したんですもの、さっぱりするわよね。

「杏樹も、やっと俺のものになってくれたし」

そのセリフに、私はまんざらでもないと思っている。

「杏樹」

祐二が私の名前を呼んで、私を見つめた。

「俺と、結婚してくれるか?」

祐二が問いかける。

その問いに関する答えは決まってる。

「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「私を大好きな人のお嫁さんにしてください」

そう言った私に、祐二は頬にキスをくれた。
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