HELLO
「佳歩ちゃん、泣くのはまだ後」

苦笑いしながら、ジウさんは佳歩さんを慰めた。

けど、ちょっと泣けてくるのは事実だ。

佳歩さんからもらい泣きをしたとかじゃなくてね。

祐二と出会ってからいろいろあったなと思ったんだ。

彼に振り回されたり、ケンカしたり、仲直りしたり…彼のせいで疲れる日もあるけど、悪くないかなって思うんだ。

その分笑えば、苦じゃないからだ。

その分幸せになれば、苦じゃないからだ。

「おーい、準備できたかー?」

ドアをノックする音とさいマサさんの声が聞こえた。
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