HELLO
つきあっていた他の女たちと縁を切った。

大変だっただろうけど、本当に。

でも、
「ごめんなさい」

私は頭を下げた。

「私は、まだあなたのことをそんな風に見れない。

百合子ちゃんのイメージも払拭できません。

だから…」

私の言葉をさえぎるように、
「じゃあ、仕方ない」

片桐が言った。

そう言った彼を私は見あげた。

「そんな風に染みついてるんだったら、俺も何も言えない。

ただ、俺のことだけは知って欲しい」

片桐は私を見つめると、
「今度、デートして欲しい」
と、言った。
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