HELLO
「わかった」

そう言った私に、片桐が顔をあげた。

「私…片桐――祐二と、つきあう」

「本当か?」

確認するように聞いてきた片桐に、私は首を縦に振ってうなずいた。

「ありがとう」

再び頭を下げた片桐が何だか微笑ましい。

どこかチャラチャラしてるけど、実は意外と一生懸命なんだなって思った。

でも、
「ところで…私たちはどこで会ったの?」

気になって聞いた私の質問に、
「…別に、いいんじゃないのか?」

片桐はそう言って横を向いたのだった。
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