死のスケッチブック
3―闇の中―
その後、警察や実花の家族といろいろあり、実花の部屋に着いたのはもう夜になっていた。

警察は実花の死を、自殺とした。

目撃者もいて、実花は自ら手摺の向こうへ飛んだとのことだった。

原因もあった。

実花は学校で、イジメにあっていたのだ。

しかもかなり陰湿で、実花がコンクール用にと描いた絵を、絵の具で塗り潰されたり、筆を壊されたことも何度もあったという。

実花の家族は学校に相談したが、犯人が特定できないが為、対処に困っていた。

美術関係で言えば、生徒全員が容疑者とも言えたから。

しかし実花は実行犯を知っていた。

だから…このスケッチブックに描けたのだ。

電話で言っていた通り、実花の机の上には一冊のスケッチブックが置いてあった。
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