死のスケッチブック
7―結末―
真名はスケッチブックを、家の地下室の奥にしまい込んだ。

ダンボールに入れて、封じることにした。

「これで少なくとも、私が生きているうちは誰も手にすることはできない」

願わくば永久に使われることがないよう祈りつつ、地下室を後にした。

祖父に頼んで、ある程度の現金を用意してもらった。

骨董品を買いたいのだと言ったら、すぐに用意してくれた。

今度見せろと言うので、あの箱に入れた筆を見せるつもりだった。

現金を封筒に入れて、真名はあの骨董屋に向かった。

「…しかし、相変わらず客がいないな」

「ここには品物を必要とする方以外は来られないんですよ」
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