終わりの無い物語。

┣お互い猫かぶり

―奏side―


見つけちゃったんだよね~、夜のラブホ街を男と歩く杉谷 久留巳(スギタニ クルミ)を。



杉谷は、俺のクラスの女子で、全校生徒のアイドルって感じの女。でも猫かぶりだって俺は思ってる。



俺と同じにおいがする。俺も猫かぶりだから。



俺の猫かぶりキャラは、エロいけど優しいイケメン君。でも杉谷はピュアで優しくて何でもできる気配り上手で超いいコ。



そんなイメージだ。ってかみんなそう思ってる。



でも、決定的な証拠見つけた。あいつ、絶対ピュアなんかじゃない。



「悪いけど、ちょっと帰ってくれる? 本当にごめんね。また、今度」



そう言ってセフレの女を帰すと、杉谷にバレないようにこっそり後をつけた。何か気になったから。



それからひとつのラブホに男と入った杉谷。俺は出てくるまで近くで待っていた。



何時間かして戻ってきた杉谷。男と軽くキスをして男と別れた。



「杉谷さん」

「わっ、ビックリした・・・。って、神城(カミシロ)くん!?」



俺の名前を呼んでサーッと青ざめていく杉谷の顔。



「セフレがいるってうわさは本当だったんだね・・・」



そう言って顔を赤らめる杉谷。でも、俺には演技ってわかるし。



「演技とかしなくていいよ? もうバレてるから」



猫かぶり用の王子スマイルを発する俺。



「・・・。あの、この事誰にも言わないでね!? 言ったらぶっ殺す」

「うん、言わないよ?」



俺の言葉にホッと息をつく杉谷。




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