終わりの無い物語。

┣片想い

どうしても腑に落ちないことがある。



『手絞りオレンジジュース』と書いてあるのに果汁は5%のジュース。



あれはおかしい。



でも、もっと腑に落ちないことがある。



何でこいつがあたしの隣に座ってんの・・・?



「あのさ、そこ、萌愛(モア)の席であってあんたの席じゃない」

「知ってる。だって、瀬川(セガワ)に言ったら譲ってくれたんだもん」



あたしの隣の席の萌愛の席に堂々と座ってるこいつは、藤原 太一(フジワラ タイチ)。高校2年。太一とは中学1年の時からずっと同じクラスで、同じ高校。



“腐れ縁”というもので繋がっている。



そんな太一はあたし――一之瀬 璃歌(イチノセ リカ)の事がなにやら好きらしい。



中2のときに告られて、以来ずっと「好き好き」アピールをされるようになってしまった。



周りも慣れたみたいで「またやってるよ~」とか言われるけど、全く嬉しくない!



あたしはコイツの事なんか好きじゃない!!



「璃歌って好きなやついんの?」

「いない」

「じゃあ俺と付き合ってみねぇ?」



みねぇよ!! 何で毎回おんなじ事言うわけ?



しかもあたしの何がいいんだろ・・・。あたしは特に可愛くもないし美人でもない。でもブスではない。・・・ハズ。



普通の女の子。



それに対して、太一はかなりのイケメン。からかわれてるようにしか思えないし・・・。



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