終わりの無い物語。

┣両・・・思い?

―璃歌side―

この気持ち、恋かもしれない。



あたしは、恋愛対象外だった藤原 太一の事が好きになってしまったらしい。



今の気持ちを一言で表すと、“屈辱”。



悔しすぎる・・・。



そして、素直になれないあたしは、両思いだとわかっていながら太一に告白ができない。



今も続いてる太一の『璃歌好き好き』アピール。



それが、前は鬱陶しかったのに、今はうれしい。



そんな中、太一がバイクの免許を取った。新品のバイクを目前にして喜んでいる太一。



「俺の後ろ、乗る?」

「怖いから乗んない」

「少しは信用しろよ~」



そう言ってはははっと笑う太一。



ウソだよ。乗りたい。でもこれはあたしなりの強がりだったりする。



新品のバイクを乗り続けていた太一。ある日、学校にこなかった。



その日の朝のホームルームで先生が、衝撃的な事を口にした。



「藤原さんは、バイクで事故にあったそうだ」



とたんにザワつく教室。でも、そんなザワつきはあたしの耳には入ってこなかった。



太一が・・・事故?



「容態は、今のところ安定しているようだが、どうなるかはまだ分からない」



う・・・そでしょ?



太一が? ありえないでしょ・・・。



「病院は、桜川病院だ」



先生が、病院名を告げた。



女子達は、「今日、お見舞い行かないと」って騒いでる。



あたしは・・・あたし・・・は・・・。
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