ある人妻の過去
裕樹は私より9歳年上だった。


そんな裕樹が、私の名前をなぜ知ってたの?


それは簡単な理由。


行きつけだった、バーのマスターに私の名前を聞いただけ。


それから、私がバーに行く度に、裕樹はカウンターに座っていた。


 「また会ったね~」


裕樹は、私の横の席に座り直し、照れた笑顔を見せていた。


 『…そうやね』


いつしか、私は裕樹に心を許し、同じ伝票で飲む関係になってた。



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