センチメンタル・ギター
#2 待ちぼうけ
綺麗に片付けられてる部屋

可愛い豚の目覚ましは快調に鳴り

空も絶好調に青い

一汗かくだろうな…一


いつもより少し早めに起きた僕は

いつもの赤いヤカンでコーヒーを入れる

昨日のことを思い出しながら



感動の熱が冷めないまま

僕はギターを担いで自転車に乗る

MP3からは1日の始まりにあうような

アップテンポの歌が流れていた



一だるっ一

希望が詰まったギターは

学校に続く坂の上では

重荷でしかなかった

僕の好きなロックで言えば

ドラムやベースラインがしっかりし過ぎな程

重たい感じ


それでも僕はこいつを置いていくことはしない


あの日から

穂奈美ちゃんを前に弾いたあの日から

コイツは僕の存在意義となっていた
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