ずっとあなたが好きでした
それから数日、私は俊也の事を意識し始めていた。

俊也と目が合っても反らす様になっていた。

俊也の事が好きで好きでたまらなくなっていた。

私の様な何もパッとしない子が俊也を好きになるのは間違っている。

そして、俊也がこんな大変な時に、私の気持ちがばれてしまったら、俊也にかなり迷惑だと思った。

だから、俊也を極力避けた。

矢吹くんには私は相応しくない…。

けれど、どんなに私が避けても、いつも俊也はこんな私にも、優しく微笑んでくれた。

本当に俊也の笑顔が大好きだった。

一日に何度も俊也の事を思い返したりした。

その頃の私は、俊也と付き合えなくても、例え俊也に彼女がいたとしても、あの優しい笑顔を俊也が私に向けてくれる、それだけでもう十分だった。

他に何も望んでいなかった。

終業式の日が来た。

前だったら、里加ちゃんや同級生達と暫く顔を合わせずに済むと思うと清々していた。

けれど、今は一ヶ月ちょっとある長い夏休みの間、俊也に会えないと思うとすごく残念な気持ちになった。

終業式で校長先生が全校生徒に向かって、夏休みの過ごし方や注意事項について話している。

校長先生の話なんて殆ど聞いていない。

ただ俊也に会えなくなると思うと悲しくてたまらなくなる。

里加ちゃんが恵梨ちゃんに何か回してと言ったのかな?

麻央ちゃんから何か回ってきた。

後ろの七海ちゃんに回そうとして、後ろを振り返った時、俊也と目が合った。

いつもの優しい顔で私を見ている。

自意識過剰かもしれないけれど、私の事をずっと見ていた気がした。

私はまた目を反らしてしまった。

どうして、こんな事ばかりしてしまうんだろう?

最近、後悔ばかりしている。

普通の女の子みたいに、どうしてニコッて笑えないんだろう?

もっと自分に自信があったら…

ニコッて笑えるのかな?

自分から、矢吹くんにニコッて笑いかけたり、話しかけられるものなの?

自分の事が物凄く嫌になった。







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