ずっとあなたが好きでした
告白
俊也と二人で会う事になった。

待ち合わせ場所に行ったら、俊也がもう先に来ていた。

そして私に向かって

「矢田!こっち!」

と笑顔で声をかけてくれた。

私なんかの為に俊也はどうして今日来てくれたんだろう?と不思議に思った。

近くにロッテリアがあったから入った。

俊也は座るとすぐに

「話したい事って?」

と興味津々に聞いてきた。

「ちょっと、待って」

「分かった。待つよ。」

長い間、私は心の準備が出来なくて、何も言えずにいた。

何も言えなかったけど、俊也にも用事があるし、さっさと言わなきゃと思い、俊也に告白した。

「矢吹くん、あのね、私、私信じてもらえないかもしれないんだけど、中三の頃からずっと矢吹くんの事好きだったの。ごめん。迷惑だよね?話ってただそれだけなの。呼び出しちゃって本当にごめんなさい。」

俊也はびっくりしていた。

私は急いで帰る準備をしていた。

今更だったし、振られる事は分かっていたし、俊也も早く帰りたいかもしれないと思ったから…。

席を立とうとすると俊也が

「何してるの?俺まだ何も言ってねーし!」

と笑っていた。

「矢田が前言ってた、手の届かない人って俺の事だったの?びっくりしたー。でも俺の方が早いよ?」

「え?早いって?」

「聞いてくれる?」

「うん。」

「三年生になる前の春休み、初めて矢田を見た。矢田は妹と話していて、妹が何か嬉しい事があったみたいで、すごく喜んでいた。矢田はそれを自分の事の様に喜んでいて、その姿を見て、健気で良い子だなって感じたんだ。暫くずっと見てたんだけど、時々見せる笑顔が本当に可愛くて、俺は矢田に一目惚れした。けど、矢田は何年生なのかも分からなくて、俺、矢田の事ずっと探してたんだ。三年になって、同じクラスで、しかも隣りの席になった時はびっくりした。すげぇ嬉しかったよ。」

「それ本当?私に一目惚れ?矢吹くんが?」

私はゆっくり俊也の話を聞き続けた。

「あぁ。けど、矢田は話し掛けても、話し掛けても、心を開いてくれなくてさ。伊藤と話してる時はすげぇ笑うのに、俺の時はすげぇ詰まらなそうで、素っ気ねぇんだもん。俺、伊藤に焼いてたんだ。」

「ヤキモチ焼いてくれてたの?私なんかの為に?矢吹くんが?」

「そうだよ。」
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